Last Modified: 2005年6月15日(水)01時16分49秒

雑文のページ

by 松 本 直 樹

  1998年11月2日 日経新聞の報道姿勢についての疑問について、一言書きました。下に掲載しておきます。

  1998年10月27日 これまでは、インデックスのページの中に雑文を書いていましたが(新規の雑文も、これまでの物へのリンクも)、インデックスのページがあまりに長くなってしまったので、こうした物を別のファイルにすることにしました。


  日銀の水増し給与疑惑について書いていましたが、日銀の給与水増し疑惑〜日銀との往復メールによって深まった疑問〜として別ファイルにしました。

  近日中に、某自動車メーカーの広告についての疑問をアップします。

  長銀の破綻危機の話について雑文を書きました。「長銀についての風説〜合併報道こそ風説でしょう〜」です。

今日の疑問のバックナンバー( 佐藤孝行氏の大臣就任と辞任、新聞協会と三輪教授の戦い(再販をめぐって))
日本の列車の指定席の設け方は非効率
大蔵省汚職報道に接しての個人的な発見(1998年3月28日)
山一証券の自主廃業について(1998年1月9日)


日経新聞の報道姿勢について
(1998年11月2日)

  今朝の新聞を見比べて、改めて思ったことがあります。現在うちでは日経新聞と読売新聞をとっているのですが、日経新聞の記事の方針についてです。あまりにも、政府や日銀や銀行に甘い、厳しく言えば迎合しているようにさえ思います。

  今朝の場合は、長銀による農林中金への1340億円あまりの保証(日本リース向け債権についての保証)およびこれの支払いについてです。今年の1月に、この債務保証をしたのに、3月期決算の有価証券報告書にも記載がなかったとのことで、金融監督庁が不掲載理由の説明を求めている、などとの報道がされています。この内容は、読売新聞の報道によります。

  こうした保証がなされたり支払いがなされたについては、相当に政治的な背景があるのでしょう。背任罪に該当するような取引がなされていたとの印象もあります。この追及が非常に重要ですが、それに加えて、開示もしなかったというのが断罪されなければならないことは既に明白です。実体を究明するための前提としても必要ですから、厳しい報道があってしかるべきです。

  ところがどうしたわけか、今朝の日経新聞にはこの件の報道が全くありませんでした。読売新聞では、1面上段に出ているのです。経済関係の事件ですから、読売新聞よりも日経新聞の方が詳しくてもおかしくないはずです。それがまったく掲載されていないのです。

  その後お昼ごろに、日経のウェブページを見たら、一応はこの話も載っていました。でも批判のトーンは極めて弱いものです。なんでも、「保証予約」だったので開示しなくてよいという理屈だったらしく、その旨の説明がされています。全く理解に苦しむ理屈ですが、こういう取るに足らない言い訳ををそのまま報道する方もどうかしてると思います。

  近ごろこの類いのことを頻繁に感じます。たとえば、先日の長銀の破たんに際しても、長銀の自己査定が甘かったという問題について、日経新聞の報道は非常に控え目でした。

  よく考えてみると、このような報道姿勢は日経新聞にとってある意味で合理的なのかも知れません。特にこれまでは、日経新聞にとって大事なのは大蔵省や日銀から特ダネを頂戴することであり、そのために覚えめでたくあることを目指す、ついては批判などは控えめにする、ということです。

  従来は確かに、こうした記事に価値があったと思います。ところがこのところは、大蔵省などの統制力が弱まっていて、こうした方針による報道が結果として間違えになってしまうことも多くなっています。長銀の合併報道などその例といえると思います。こうした方針の報道に限界が見えていると言えましょう。

  将来を考えるとますます問題だと思います。今後は、インターネットを通じての直接の情報配信がますます普及していくはずですから、大蔵省などのご意向に従った報道というのは不要になっていくと思われます。


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